ジャンルにまたがる音楽


 70年代、80年代は様々な音楽が生まれました。メディアによってそれぞれの音楽がいろいろなジャンル化され、カテゴリ分けされていきました。しかし、ひとつのジャンルにはまらない音楽が存在し、メディアがむりやりカテゴリ分けしたものもありました。私がこのホームページで掲げている”プログレッシブ・ロック”もそうですし、”NewAge"もそれにあたると思います。
 ここで取り上げるアーティストの作品もその一例です。クラシック・ジャズ・フュージョン・ロック・環境音楽...様々なキーワードが錯綜する作品をご覧下さい。




BIRDS OF FIRE(火の鳥)/ MAHAVISHNU ORCHESTRA(1973年)
後にフュージョン界で活躍するJohn McLaughlin(g)、Billy Cobham(vio)、Rick Laird(b)、Jan Hammer(Key)、Billy Cobham(Per)の5人組。当時(1973年)の触れこみは”ジャズ・ロック”と呼ばれたこのサウンド。すべてインストで、バイオリンとエレキギターの熱いバトル演奏の曲(フリーフォーム的なソロも)が多いです。ジャズとロックの”あいのこアルバム”って感じですね。当時としては先進的な音だったのでしょう。このアルバムは、フュージョンまたはジャズコーナーにあります。
1.BIRDS OF FIRE 2.MILES BEYOND 3.CELESTIAL TERRESTRIAL COMMUTERS 4.SAPPHIRE BULLETS OF PURE LOVE 5.THOUSAND ISLAND PARK 6.HOPE 7.ONE WORD 8.SANCTUARY 9.OPEN COUNTRY JOY 10.RESOLUTION


レーザーディスク作品
AT WESTMINSTER ABBY / SKY  (1981年)
クラシック・ギタリスト、John Williams(映画音楽家とは別人!)がポップス系ミュージシャンとグループを結成。数枚のアルバムを残しました。クラシックの曲をポップ調に演奏しています。”お約束”の「アルハンブラ宮殿の想い出」は、クラシックギターのみの演奏です。最後にバッハの「トッカータ」をエレキギターで演奏!クラシック好きなロックファンに聴いて欲しい1枚です。店によってジャズコーナーにあったり、ロックコーナーにあったり....店泣かせのアーティストです。*注:SKYという同名異グループがあるので注意!
1.GRACE 2.CHIROPODIE NO.1 3.SARABANDE 4.SAHARA 5.RECUERDOS DE LA ALHAMBRA 6.DANCE OF THE LITTLE FAIRIES 7.FIFO 8.THE SWAN 9.THE WHALE 10.SCIPIO 11.HELLO 12.HOTTA 13.KEEP ME SAFE & KEEP ME WARM,SHELTER ME FROM DARKNESS 14.TOCCATA



レーザーディスク作品
VIVALDI THE FOUR SEASONS(ヴィヴァルディ四季)/
LARRY CORYELL + KAZUHITO YAMASHITA  (1984年)
日本人クラシックギタリストの山下和仁とフュージョン・ギタリストのラリーコリエルとのデュオ(重奏)アルバム。”楕円音楽”と比喩されました。つまり、クラシックとフュージョンの境界の音楽....というか、クラシックの名曲をベースに、コリエルのアコースティックギターと山下のクラシックギター、異質な楽器・音楽が奇妙なバランスで素晴らしく調和してます。もともとジャンルを超えた才能を持つ2人ですから聴き始めると違和感がなくなりますね。壮絶なギターテクニックの応酬が見られます。クラシック・コンサート特有なの緊張感あるステージですが、コリエルはマイペースでリラックスしてます。間違えると思わず声をあげたり...それがなぜか微笑ましいです。
1.THE SPRING  2.THE SUMMER  3.THE AUTUMN  4.THE WINTER


WORKS VOLUME 1(ELP四部作)/ EMERSON,LAKE&PALMER
                                 (1977年)
 プログレッシブ・ロックの代表格のEL&Pですが、このアルバムでは、Keith Emerson
(key)、Greg Lake(b,g,vo)、Carl Palmer(d)の3人のメンバーがそれぞれソロをアナログ・レコードの1面づつ収録。最後に2曲のグループでの作品を収録してます。
 アルバムの冒頭のKeith Emersonのソロがクラシックそのものです。”ピアノ協奏曲”という伝統的な様式に従ってクラシックピアニストと化してます。EL&Pが好きになった人がコレを買って嫌いになったという話を昔聞きました(笑)。この部分だけクラシックアルバムみたいでなんだかお得!?あ、書き忘れました。Carl Palmerの下記12曲目ももろクラシックです。

1.PIANO CONCERTO NO.1 1ST MOVEMENT 2.PIANO CONCERTO NO.1 2ND MOVEMENT 3.PIANO CONCERTO NO.1 3RD MOVEMENT 4.LEND YOUR LOVE TO ME TONIGHT 5.C'EST LA VIE 6.HALLOWED BE THY NAME 7.NOBODY LOVES YOU LIKE I DO 8.CLOSER TO BELIEVING 9.THE ENEMY GOD DANCES WITH THE BLACK SPILITS 10.l.A. NIGHTS 11.NEW ORLEANS 12.TWO PART INVATION IN D MINOR 13.FOOD FOR YOUR SOUL 14.TANK 15.FANFARE FOR THE COMMON MAN 16.PIRATES
1〜3=Keith Emerson(Solo)、4〜8=Greg Lake(Solo)、9〜14=Carl Palmer(Solo)、15,16=Emerson,Lake&Palmer



PICTURES AT AN EXIHIBITION(展覧会の絵) / EMERSON,LAKE&PALMER (1972年)
 同じくEL&Pの代表作、「展覧会の絵」です。この作品は、クラシックの同曲(ムソルグスキーの作品)をROCK化して演奏してるものです。原曲に忠実ではなく、自作曲を途中に散りばめながら演奏してます。「The Old Castle(古い城)」などは、原曲の叙情性が消え、ノリの良い演奏に化してます。アンコールは、「くるみわり人形」です。
 同じような試みを行ったバンドがいくつかあると思いますが、この作品は草分け的な作品といえるでしょう。
1.PROMENADE 2.THE GNOME 3.PROMENADE 4.THE SAGE(ORIGINAL) 5.THE OLD CASTLE 6.BLUES VARIATION(ORIGINAL) 7.PROMENADE 8.THE HUT OF BABA YAGA 9.THE CURSE OF BABA YAGA(ORIGINAL) 10.THE HUT OF BABA YAGA 11.THE GREAT GATES OF KIEV
12.(ENCORE) NUTROCKER



PENGUIN CAFE ORCHESTRA / PENGUIN CAFE ORCHESTRA
                 (ペンギンカフェオーケストラ) (1981年)
彼らの作品は、ジャンルを超えてるの一言に尽きます。
もっとも、所属レーベルがEditions EGというプログレッシブ・ロックレーベルに属して
ました。バイオリン・ウクレレ・ギター・ピアノ・笛・打楽器などを使用して、民族音楽
風+現代音楽風+ミニマル・ミュージック風+生音系なインストサウンドです。説明が
難しいですね(笑)。聴いていない方。是非一度聴いてみて下さい。不思議な世界ですよ。
リーダーのSimon Jeffsは惜しくも90年代に鬼籍に入ってしまい残念です。。。。
もし現在活躍してたら、どんなサウンドをやっていたのかな??

1.Air A Danser,2.Yodel 1,3.Telephone And Rubber Band, 4.Cutting Branches For A Temporary Shelter(Traditional), 5.Pythagoras's Trousers,6.Numbers 1-4,
7. Yodel 2, 8.Salty Bean Fumble, 9. Paul's Dance, 10.The Ecstasy Of Dancing Fleas, 11.Walk Don't Run, 12.Flux, 13.Simon's Dream, 14.Harmonic Necklace, 15.Steady State



Masters Of Chant / GREGORIAN
                    (グレゴリアン)   (2000年)
ドイツのプロジェクト、エニグマの創始者、フランク・ピーターソン(F.グレゴリアン)の2000年の作品です。グレゴリア聖歌で60s〜90s迄のロックの名曲が甦ります。グレゴリア聖歌は、なにしろ落ち着きます。いらいらしていた気持ちが静まります。男性コーラスの真髄って感じでしょうか。しかし、悪い言い方をすると、”とっても暗いダーク・ダックス”とも言えなくもナイ...
 独特な雰囲気のコーラス。そして演奏も見事。1曲目のブラザー・イン・アームスのギター・ソロは特筆すべきもの。
 しかし、選曲の幅広さは凄い。下記を見れば一目瞭然。え!って思うのがVisage、Ultravox、R.E.Mでしょうか。60〜70sモノは、予想通り。なるほどと思う出来です。
 男性コーラスが続いて、12曲目。ハッとします。ドント・ギブ・アップは原曲さながらの女性ヴォーカルが入ります。
 一度聴いてみて下さい。オススメのヒーリング・ミュージックです。


 1.Brothers In Arms (Dire Straits) 1985年
 2.Scarborough Fair (Simon & Garfenlkel) 1966年
 3.Tears In Heaven (Eric Clapton) 1991年
 4.Still I'm Sad (Yardbirds) 1965年
 5.When A Man Loves A Women(Percy Sledge) 1966年
 6.Nothing Else Matters (Metallica) 1991年
 7.Fade To Gray (Visage) 1980年
 8.Losing My Religion (R.E.M) 1991年
 9.Vienna (Ultravox) 1980年
10..Sound Of Silence (Simon & Garfenkel) 1966年
11.Sebastian (Steve Harley) 1974年
12.Don't Give Up (Peter Gabriel) 1986年
13.I Still Haven't Found What I'm Looking For (U2) 1987年
14.Save A Prayer (Duran Duran) 1982年


Sketches Of Satie / John Hackett & Steve Hackett
                      (エリック・サティーの風景) (2000年)
 元ジェネシスのスティーヴ・ハケット(g)と実弟、ジョン・ハケット(flute)による、エリック・サティの作品集。サティの作品は、ピアノによる演奏が印象に残りがちですが、クラシック・ギター&フルートの演奏もなかなか暖かみがあって気に入ってます。ピアノのみの演奏とはまた違ったサティの解釈が...
 意図的?に組曲の演奏順序を入れ替えており、あれ?と思いますが、それがまた新鮮さを誘います。

 1. Gnossienne No.3
 2. Gnossienne No.2
 3. Gnossienne No.1
 4. Gymnopedie No.3
 5. Gymnopedie No.2
 6. Gymnopedie No.1
 7. Pieces Froides No.1 Airs a faire fuir T
 8. Pieces Froides No.1 Airs a faire fuir U
 9. Pieces Froides No.2 Dance de traversU
10. Avant Derniere Pensees  Idylle a Debussy
11. Avant Derniere Pensees  Aubade a Paul Dukas
12. Avant Derniere Pensees  Meditation A Albert Roussel
13. Gnossienne No.4
14. Gnossienne No.5
15. Gnossienne No.6
16. Nocturnes No.1
17. Nocturnes No.2
18. Nocturnes No.3
19. Nocturnes No.4
20. Nocturnes No.5
Marco Polo / Alesini&Andreoni (1996年)
 歴史の勉強で誰もが知っているイタリアの旅行家マルコ・ポーロの生涯をテーマにしたコンセプトアルバム。イタリアの前衛音楽家キーボード&サックス奏者、Nicola Alesini とキーボード奏者のPier Luigi Andreoniの作品です。サックスとキーボードを中心に、マルコの”旅”を表現しています。時には映画音楽風、エスニック風、そしてアンビエント&ミニマルな雰囲気を感じるサウンドもあります。バックを支える豪華なゲスト陣は、元JAPANのDavid Sylvian (Vo)、イーノ・ファミリーのRoger Eno (Key)、Harold Budd(Key)、そして様々な経歴を持つギタリストのDavid Thorn。”前衛”、”アンビエント”そして”オルタナティブ”な雰囲気を併せ持ったアルバムとも言えるでしょう。
1.Come Morning 2.Quinsal La Citta'Del Cielo 3.Yangchow 4.The Golden Way 5.Sumatra 6.M.Polo 7.Il Libro Dellincessante Accordo Con Il Cielo 8.Maya 9.Buchara 10.Kubilay Kharn 11.Samarca 12.The Valley Of Pamir
アゲティス・ビリュン /Sigur Ros(シガー・ロス)(2001年)
  アイスランドの音楽って何だろ。。と思って聴いた1枚です。2曲目の印象的な女性風ファルセット・ボーカル。。アイスランドの自然に同化するような、どことなく教会音楽風かつアンビエント風の1曲で、私は彼らの世界に引きずり込まれてしまった!!少し混乱さが交じった叙情的な曲がその後続きます。7曲目のピアノをフューチャーした曲で、またほっとします。彼らの音楽をジャンルで語るのはよくない。世の中に1つしかない。。ユニークなシガーロスの世界。。。”胎児”のジャケットがすべてを表します。
1. イントロ
2. スヴェン・ギー・エングラー
3. スタラルファー
4. フルーガフェールサリン
5. ヌイ・バッテリー
6. ヒャーテェズ・ハマスト(バム・バム・バム)
7. ヴィザール・ヴェル・ティル・ロフタラサ
8. オルセン・オルセン
9. アゲイティス・ビリュン
10. アヴァロン

 *アイスランド語は、アルファベット以外の表記があるので、カナで記しました。

※他にも皆さん思い当たる作品があったら教えてください!!
※今後、不定期に追加予定。

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